前回の記事では、エマの “ごほうび” の内容考察としてよく言われている「エマの記憶」説を改めて考えてみました。
今回はもうひとつよく言われている、「エマの身体」説についても改めて考えてみたいと思います。
“ごほうび” の条件に概ね合致
前回の記事でも述べたように、 “ごほうび” にはいくつか満たされるべき条件があります。
詳しくは過去のこちらの記事をご覧ください。
簡単にまとめると、
- エマの「食用児全員で人間の世界に行き、それを最後に二世界間の行き来を完全に不可能にしてほしい」という願いは叶えられること
- これまでの約束を破ったり上書きしたりしないこと
- エマの本当の欲望を阻害すること
を満たす必要があります。
“ごほうび” がエマの身体だった場合、これらの条件に合致するかということなのですが、
結論から言うと合致すると思います。
エマの願いが叶えられること
エマは「食用児全員で人間の世界に行く」という約束をしました。
そのため、エマが鬼の世界や昼と夜の世界に残ってしまっては、「食用児全員で人間の世界に行く」という約束は果たされていないことになるため、あり得ません。
しかし、エマの身体をあのお方が奪って人間界に行き、エマの精神(魂?)だけ置き去りにするという場合は、一応「食用児全員で人間の世界に行く」ことができているため、辻褄は合っています。
これまでの約束と矛盾しないこと
こちらは前回の記事と同様。
以前までは「その年に実った最上の人肉を献上する」というイヴェルクの約束を守り続けるためにはどうするべきか、という問題がありました。
しかし、イヴェルクが死んだ今、この約束は無効化されたと考えれば問題は起こりません。
ラートリー家も最終的には調停役として機能しなくなる可能性が高いため、こちらの約束も無効になったも同然。
こちらの条件に関しては、あまり気にしなくて良いのではないでしょうか。
エマの欲望を阻害すること
エマは「家族みんなと人間の世界で暮らしたい」という欲望があります。
それを叶えるために、「食用児全員で人間の世界に行き、その後は鬼の世界と分断する」ことを約束したのです。
そのためエマの身体は乗っ取られて人間の世界に行き、エマの精神だけ鬼の世界(もしくは昼と夜)に取り残される、という状況は
食用児全員で人間の世界に行くという約束を果たした上で、本当にエマが望んでいた「家族のみんなと人間の世界で暮らしたい」という欲望は満たされないことになります。(自分は取り残されるため)
つまり、 “ごほうび” の条件に合致します。
エマはあのお方になる
あのお方がエマの体を奪うということは、エマとあのお方が入れ替わるということが考えられます。
つまり、エマはあのお方になるということです。
ここで思い出してもらいたいのが、「エマたちフルスコア組はあのお方の御神体になる」という考察。
まさに「エマがあのお方になる」ということですよね。
まとめ
“ごほうび” はエマの身体だという説について改めて考えてみましたが、割と辻褄は合っているように感じました。
前回の記事の「記憶」説と比べると、個人的にはこちらの「身体」説を推したいと思っています。
コメント
身体説かぁ~