鬼の頂点の存在である「あのお方」のモデルについて、「ヒルコ」説を提唱します。
「ヒルコ」とは?
「ヒルコ」とは、日本神話に登場する神です。
イザナギとイザナミという、日本の国土を作った(国産みと呼ぶ)とされる2体の神の間にできた子とされています。
しかし、このイザナギとイザナミの子であるヒルコは、ある特徴がありました。
不具の子ヒルコ
ヒルコは不具の子(体に障害を持っている子)でした。
イザナギとイザナミはこれを嫌い、ヒルコを川に流して捨ててしまいます。
ヒルコは幼くして死んでしまったのです。
これがあのお方とどう関連してくるのか。
あのお方がいる世界である七つの壁では、風車(かざぐるま)が多く描写されています。
風車というのは、水子供養(流産、死産や乳児期に死亡した子の供養)を意味しており、幼くして死んでしまったヒルコを連想させます。
風車と水子供養についてはこちらの記事をご覧ください。
また、一般的に鬼は手の指が6本ありますが、あのお方はよく見ると指が4本しかありません。
ヒルコは体に障害を持っていたとされていますが、特に手足が異形だったという説が有力視されています。
まさにあのお方の指の本数が少ないのは、ヒルコの「不具の子(体に障害を持っている)」という特徴を表しているのではないかと考えられます。
鬼の指の本数については、45話の扉絵で「CHECK IT(=注目して!)」と描写されていることからも、何か重要な秘密があってもおかしくないはず。
ちなみにレウウィスも手の指が3本しかありませんが、これは老化によるものだと考えることができます。
「ヒルコ」という名前
「ヒルコ」は漢字で「水蛭子」と書きます。
血を吸う生物の「ヒル」は漢字で「蛭」と書くため、「蛭子」で「ヒルコ」と読めるのですが、なぜか「水」が頭に付いています。
実は幼くして死んでしまった子や流産・死産した子を意味する「水子」という言葉は、「水蛭子」から来ているとされています。
ここからも、あのお方や七つの壁との関連が見えます。
また、「ヒルコ」は「昼子」とも書けます。
あのお方は、昼と夜の世界で「昼側」にいますよね。(どのような構造になっているのかは分かりませんが、エマと話している間は昼側で話しています。)
昼と夜の「昼側にいる子供」=「昼子」とも捉えられるのではないでしょうか。
ヒルコの兄弟
イザナギとイザナミの他の子、つまりヒルコの兄弟に昼を統べる神「天照大神」と夜を統べる神「月読命」がいます。
まさに「昼と夜」ですよね。
胞状奇胎
ヒルコは「胞状奇胎」であったとする説もあります。
「胞状奇胎」というのは染色体異常によって形を成さない胎児のこと。
英語では「hydatidiform mole」と呼ばれるのですが、「hydatidiform」はギリシャ語で「ぶどう」を意味します。
日本語でも胞状奇胎のことを「ぶどう子」と呼んだりもします。
ぶどうといえば「ワイン」ですよね。
鬼はよくワインを飲んでいる描写がされています。
また、約束のネバーランドのロゴを見ると、「束」の縦棒が「挿し木」になっています。
ぶどうは挿し木を使って成長を助けるのですが、「挿し木=ヴィダ」を表しているとすると、「神(=ぶどう)のために刺す」という点で類似していると捉えることもできます。
まとめ
以上、「あのお方のモデル=ヒルコ説」でした。
日本神話は約束のネバーランドと深く関係しているとしか思えません。
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