「創世記」とは…
古代ヘブライ語によって記された、ユダヤ教、キリスト教の聖典で、イスラム教の啓典である聖書(旧約聖書)の最初の書であり、正典の一つである。 … (中略) … 内容は、「天地創造と原初の人類」、「イスラエルの太祖たち」、「ヨセフ物語」の大きく3つに分けることができる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%89%B5%E4%B8%96%E8%A8%98
この中で、最初の物語「天地創造と原初の人類」は約ネバの世界設定に似ている部分が非常に多くあります。
天地創造
まず最初は、神がこの世界を作るお話です。
「神は7日間で世界を創った」というフレーズを聞いたことある方も多いのではないでしょうか。
7日間のうち、最後の7日目は「休んだ」ということになっているので、実質6日で神は世界を作りました。
その6日間のうち、最初の1日目と最後の6日目に注目します。
天地創造1日目
1日目、神はまず天と地(宇宙と地球)を作りました。
その後、
地は形なく、むなしく、やみが淵のおもてにあり、神の霊が水のおもてをおおっていた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%9C%B0%E5%89%B5%E9%80%A0
とあります。
まさに王の頂点の「あのお方」のいる「昼と夜」の世界に激似ではないでしょうか。
「昼と夜」は「地は形ない」状態で、「神の霊」ともとれる竜が存在しています。
このままだと真っ暗なので、神は「光あれ」と言って「昼と夜」を創ります。
ついには「昼と夜」という言葉まで出てきました。
また、「光あれ」といえばGFハウス脱出時のイザベラのセリフですよね。
神は光を昼と名づけ、やみを夜と名づけられた。夕となり、また朝となった。第一日である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A9%E5%9C%B0%E5%89%B5%E9%80%A0
そして、「第一日目の朝」を迎えます。
天地創造2日目〜5日目
その後、2日目から5日目までは
空、大地、海、植物、太陽、月、星、魚、鳥
を順に創っていきます。
天地創造6日目
そして何もしなかった7日目を除いた最終日である6日目、神は「獣」と「家畜」と「人間」を創りました。
ここで、「獣」=鬼であり、「家畜」「人間」=食用児だと思いがちですが、そうではないと思います。
「神は自らの姿形に似せて人間を創った」とあるため、「あのお方」=「神」としたとき、「人間」=鬼となるのです。
つまり、「人間」=鬼、「家畜」=食用児を表しているのではないでしょうか。
実は人間と鬼は同じ、もしくは逆転しているというのは「胡蝶の夢」で示唆されていることでもあるかもしれません。
天地創造7日目
そして天地創造7日目、「神はお休みになった」わけなのですが、これが現在の約ネバ世界の状態を表しているのではないでしょうか。
「あのお方」はエマたちに対して何度も「あそぼ」と呼びかけていることから、退屈である、暇を持て余していることが推測されます。
今は特に何もせず、「お休み」になっているために遊ぶ相手が欲しかったのかもしれません。
アダムとイヴ
「アダムとイヴ」という言葉は多くの方が聞いたことあるでしょう。
アダムとイヴは、神によって創られた最初の人間だと言われています。
「アダムとイヴ」という名前で日本では広く知られていますが、聖書の記述では「アダムとエバ」と書かれています。
「アダム」はそのままアダムがいますし、「エバ」はエマのモチーフなのではないかと思います。
また、「アダム」は「土」「人間」という意味があり、「土の人間」といえば土で作られた人間である「ゴーレム」です。
アダムは世界で最初に生まれた、自我を持ったゴーレムだとも言われています。
約ネバのアダムも作られた「試作品」であり、かつ副作用が唯一起きていない「世界で最初に作られた成功例」であるため、類似している部分があります。
そして「エバ」ですが、この名前には「生きる者」「生命」という意味があります。
エマはゴールディ・ポンドで瀕死の状態になっても復活しましたし、「生きる」ことに長けていると思います。
そして、アダムは「人間」の意味があるのに対し、エマは「生命」という意味にとどまることから、人間であるアダムと対比してエマは人間ではない生命ということが示唆されているのかもしれません。
さらに、ある解釈では「イヴ」というのは獣につけた名前だとも言われています。
エマが獣であることを表しているという意味に取れなくもありません。
また、アダムとエバは蛇にそそのかされ、食べてはいけない「禁断の果実」と呼ばれるリンゴを食べて楽園を追放されたという有名な話があります。(失楽園)
(禁断の果実はリンゴではないという説もあるようですが)
3巻 p.17に描写されている本には、蛇とリンゴの絵が描かれています。
さらに、リンゴは他にも度々描写され、ここでも類似点があります。
特に48話の扉絵では、エマとムジカがリンゴの上に立っている絵が描写されており、「ムジカ=蛇」と考えると確実に失楽園の話を示唆するものでしょう。
ムジカのモデルが蛇であるという説については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
カインとアベル
カインとアベルは、アダムとエバの息子です。
彼らは敵対関係にあり、「人間」と「鬼」の敵対関係を示唆しているのではないかと思われます。
特にアベルは、神に「肥えた羊の子ども」を献上しており、鬼が「あのお方」に食用児の脳を献上することと一致します。
カインはアベルを殺害し、これが最初の殺人だとされています。
神に問い詰められたカインは人間史上最初の「嘘」をつき、最終的にそれがバレて肌に「刻印」をされてしまいます。
約ネバでも「嘘つき」「嘘吐き」という言葉はよく出てきますし、「刻印」なんかはまさに認識番号やラムダの刻印と一致します。
また、「あのお方」を表記している文字は天使の言語「エノク語」がモチーフとされていると言われていますが、カインの息子こそがそのエノクなのです。
ノアの方舟
次に「ノアの方舟」と呼ばれる話に入りますが、この話も広く知られているかと思います。
大洪水が起きた際、ノアは巨大な方舟を作って家族や動物たちを乗せ、命を救ったという話です。
そもそもこの話の主人公である「ノア」というのが、ノーマンのモチーフなのではないでしょうか。
ノーマンは英語で書くと「NORMAN」で、「NOR MAN」=「ノアという男」と読むことができます。
ノアは「全き人(=完璧で欠けている部分がない人)」とされており、まさにノーマンのような存在です。
また、ノーマンは1巻p.126で、「僕も泥船をつくりたいんだ」と言っています。
これはノアの方舟を示唆している表現なのかもしれません。
そしてノアの方舟によって民を洪水から守った後、神に生贄を捧げます。
それを受け取った神は二度と生物を滅ぼすような洪水は起こさないことを約束し、ノアたちを祝福した、とのこと。
神に捧げる「生贄」というのは「エマのごほうび」ではないでしょうか。
このごほうびによって神は満足し、平和にする「約束」をするのです。
約束のネバーランドの最終回として、十分あり得る展開だと思います。
バベルの塔
最後に、「バベルの塔」の話です。
人間が神に近づくために建設した塔とされています。
「バベル」というのは「神の門」という意味があり、七つの壁につながるあの扉を連想させます。
「6つの塔」を訪れて神に近づくヒントを得て、「入口の門」にたどり着き、「神」にたどり着くという流れがこの「バベルの塔」を参考にしているのではないか、と考えます。
ヤハウェ
創世記の序盤の話はここまでで以上となりますが、これまで出てきた「神」は「ヤハウェ」と呼ばれています。
この「ヤハウェ」という言葉はヘブライ語の4つの子音を組み合わせた単語です。
そしてこの「ヤハウェ」ですが、本来の正確な発音が失われているそうです。
これは創世記の「神」が約ネバの「あのお方」のモチーフになっていること、さらには創世記が約ネバのモチーフになっていることの決定打ではないでしょうか。
まとめ
今回は約束のネバーランドの世界と「創世記」とのつながりについてまとめてみました。
約ネバのモチーフのひとつとして「創世記」はほぼ間違いなく入っているのではないでしょうか。
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